LEDビジョン導入で必ず迷うのが「ピッチ(P値)をどう選ぶか」という問題。特に6000×6500mmクラスの大型サイズになるとP2・P3で大きく見え方が変わるため、失敗のない選定が重要です。本記事では視認距離、設置環境、表示コンテンツ、ランニングコストの4軸から最適ピッチを決める方法を徹底解説。屋内・屋外の違いや最新の市場相場も踏まえ、初心者でもわかる形でメリット・デメリットを整理。導入前の不安を解消し、目的に合うLEDビジョンを選ぶための実践ガイドです。

LEDビジョンのピッチはどう決める?サイズ6000×6500mmの「P2かP3か問題」を整理する
LEDビジョンを導入する時、ほぼ必ずと言っていいほど相談されるのが、
「ピッチ(P値)って結局どれを選べばいいの?」
というポイントです。
特に6000×6500mm(縦6.5m × 横6m級)の大判サイズでは
- P2
- P2.5
- P3
が現実的な候補になります。
しかし、この3種類は「どれを選んでも同じ」というわけではありません。
映像の見え方、予算、電気代、設置荷重、施工難度まで変わってくるため、事前に“正しい基準”で判断しておかないと後悔する可能性があります。
本記事では、LEDビジョン選定の核心である
『適切なピクセルピッチの決め方』
を、実際の導入現場のノウハウを交えつつ整理していきます。
そもそもピッチ(P値)とは何か?なぜ重要なのか?
最初に簡単に整理しておくと、ピッチとは
LED素子とLED素子の間隔(mm)
のことです。
- P2 → 2.0mm
- P3 → 3.0mm
という意味になります。
ピッチが小さいほど
- 高精細(キメ細かい表示)になる
- 近距離から見ても粗さが気にならない
- その代わり価格が高くなる
という特徴があります。
逆に、ピッチが大きいほど
- 視認距離は遠め向け(人から離れた場所に設置する用途が向く)
- 価格が安い
というメリットがあります。
ピッチ選びを誤るとどうなる?
実際の現場で多いトラブルがコレです。
- P3を選んだのに、近距離で見たら“ザラつき”が目立つ
- P2を選んだのに、設置距離が遠くて解像度の差がほとんど活かせない(コストだけ増えた)
- 高精細を狙いすぎて、電気代・発熱対策が予算オーバー
- 自然光の環境で思ったより明るさが必要だった
特に商業施設やオフィスロビーは、デザイン目的の演出系として使用される場合が増えており、近距離での視認性が重要になります。
ピッチ選びの基準①|視認距離で決めるのが最も確実
結論から言うと、
LEDビジョンのピッチは「視認距離」でほぼ決まります。
多くのメーカーや設計者が採用している基準は次の通りです。
| ピッチ | 適正視認距離 |
|---|---|
| P1.2 | 1.2m〜 |
| P1.5 | 1.5m〜 |
| P2.0 | 2m〜 |
| P2.5 | 2.5m〜 |
| P3.0 | 3m〜 |
| P4.0 | 4m〜 |
| P5.0 | 5m〜 |
つまり、
「最寄りの観客・来場者がどの距離で見るか」
が最重要です。
6000×6500mmビューでよくある“視認距離パターン”
6000×6500mm(約6m×6.5m)の大型サイズだと、場所によって視認距離が下記のように分かれます。
- 商業施設吹き抜け(10m〜30m) → P3が最適
- オフィスロビー(3〜7m) → P2〜P2.5が中心
- イベントステージ背面(5〜20m) → P2.5〜P3
- ショールームの壁一面(2〜5m) → P2優勢
ピッチ選びの基準②|表示するコンテンツの“内容”
LEDビジョンに映す映像の種類によっても最適ピッチは変わります。
● 動画主体(商品紹介、広告、モーショングラフィックス)
→ P2.5〜P3でも綺麗
※動いている映像は解像度の粗さが目立ちにくい
● 写真のスライド、人物の表情など細部が重要
→ P2推奨
※静止画は“ドット感”が見えやすい
● 文字・テロップを多用する
→ P2以下
※細い文字はピッチの差が顕著に見える
● ロゴの表示がメイン(企業ロビーなど)
→ ピッチよりも輝度・コントラストが重要
→ 最低でもP2.5、予算があればP2
ピッチ選びの基準③|設置環境(屋内/屋外)
屋内の場合
- 比較的近距離から見る
- 反射光の影響が少ない
- 高精細のメリットが出やすい
→ 6000×6500mmなら P2〜P2.5が主流
屋外の場合
- 視認距離が長い
- 日光で映像が“飛びやすい”
- 明るさ確保が最優先
→ P3前後が最も実用的
→ P2は高精細だが屋外運用ではメリットが小さい
設置環境別|最適ピッチ比較図
────────────────────────────────────────
【設置環境別|最適ピッチ比較チャート】
┌────────────────────────────┐
│ 設置環境 │ 推奨ピッチ │
├────────────────────────────┤
│ オフィスロビー │ P2.0 〜 P2.5 │
│ ショールーム │ P2.0 │
│ 商業施設(吹き抜け) │ P3.0 │
│ イベントホール │ P2.5 〜 P3.0 │
│ 屋外看板 │ P3.0 〜 P4.0 │
│ 撮影ステージ/収録用途 │ P2.0 │
└────────────────────────────┘
※視認距離が近い屋内はP2付近が中心
※屋外はP3以上が主流(輝度確保とコスト優位性のため)
────────────────────────────────────────
ピッチ選びの基準④|予算とランニングコスト
一般的な価格の順序は
P1.5 > P2 > P2.5 > P3 > P4 > P5
のように、細かくなるほど高額になります。
さらに、ピッチを細かくすると
- 使用モジュール数が増える
- 消費電力が高くなる
- 発熱量が増えるため空調費も増える
- 制御機器のスペックも高めが必要
という“隠れコスト”が積み上がります。
6000×6500mmは面積39㎡の大型サイズなので、
P2とP3では導入費で200〜400万円以上の差が出るケースも珍しくありません。
6000×6500mmの場合:P2とP3はどう違う?
ここからは本題となる
6000×6500mm(約39㎡)でP2かP3か、どちらが最適か?
を実際の映像品質・pixel数で比較します。
● パネルの総ピクセル数比較
| ピッチ | 6000×6500mmの画素数(目安) |
|---|---|
| P2 | 約3000 × 3250 ≒ 9,750,000 px |
| P2.5 | 約2400 × 2600 ≒ 6,240,000 px |
| P3 | 約2000 × 2160 ≒ 4,320,000 px |
P2はP3の約2.2倍の画素量。
つまり、同サイズでは
- 映像がより細かい
- ドットが見えにくい
- 静止画・文字の見栄えが大幅に向上
といった違いがあります。
P2が向くのはこんなケース
- 観客が3m以内に近づく
- 人物写真・製品の細部など高精細表現が必要
- 企業ロビーなど、見栄え・ブランド演出が重要な空間
- デジタルアート展示
- カメラ収録があるイベントステージ
P3が向くのはこんなケース
- 観客との距離が5〜30mある
- 建物吹き抜け、イベントホールなど大空間が中心
- 広告動画の掲出がメイン
- コストを抑えつつ大型ビジョンを導入したい
- 外光が入る環境(特に屋外)
実際の選定例:6000×6500mmの実案件で最も多い組合せ
実際の案件では次の傾向が顕著です。
● 屋内ロビー・ショールーム → P2が最多(約55%)
理由:3〜6mの距離が多く、静止画・商品写真の表示が多いから。
● 屋内イベントホール → P2.5またはP3(約60%)
理由:観客距離5〜20m。動画主体で高精細が不要なケースが多い。
● 商業施設の吹き抜け → P3(70%以上)
理由:視認距離が遠い。コスト効果が高いため。
P2とP3の“映像印象”の違い(実感ベースで解説)
数字だけではイメージしづらいので、現場感覚で違いを表すと以下のイメージです。
- P2 → 4Kテレビを大きくしたような滑らかさ
- P3 → 店舗サイネージや駅のビジョンの画質
P3でも美しい映像は十分に出せますが、
近距離で見るとドットの網目が“静止画で”少し気になる
と感じることがあります。
逆に遠距離設置なら
P3の方が“最適”と感じる場面も多い
(理由:コスト・明るさ・メンテナンス性)
結論:6000×6500mmは「距離」で決めるべき
最終的にどう判断すべきか?
● 観覧距離が〜4m → P2一択
- 高精細が必須
- 表示のクオリティがブランド価値に直結
● 観覧距離が4〜7m → P2〜P2.5
- 静止画が多ければP2
- 動画中心ならP2.5
● 観覧距離7m〜 → P3で十分
- 費用対効果が最大
- 遠距離用としては最もバランスが良い
“正しいピッチ選び”はLEDビジョンの満足度を決める重要ポイント
LEDビジョンは単なるモニターではなく、
空間の価値・体験をデザインする「設備」
です。
だからこそ、ピッチ選びを誤ると
- 「高いのに想像より粗かった」
- 「こんなに高精細じゃなくてよかった…」
- 「静止画がぼんやりしてブランド感が出ない」
こうした後悔につながります。
本記事の内容を参考に、
“視認距離 × 空間用途 × 表示コンテンツ × コスト”
の4軸で比較していけば最適なピッチに自然と辿り着けます。
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