GOBとCOBは何が違うのか？LEDビジョン導入を検討する企業向けに、Crystal VisionがGOB（Glue on Board）とCOB（Chip on Board）の構造・耐久性・画質・修理性・コスト・屋外屋内適性を徹底比較。防水性や衝撃耐性、視認距離、用途別の最適解までわかりやすく解説します。導入後に後悔しないための判断ポイントを網羅した保存版ガイド。
はじめに｜GOBとCOB、名前は似ているが“中身は別物”
LEDビジョンの技術資料や製品カタログを見ていると、
最近よく目にするのが GOB と COB という2つの方式です。
どちらも「高耐久」「高品質」といったイメージで語られることが多く、
導入検討中の企業担当者からは、Crystal Visionにもこんな質問が多く寄せられます。
- GOBとCOBって、結局何が違うの？
- 屋外に向いているのはどっち？
- 屋内ならどちらを選ぶべき？
- 価格差に見合う性能差はある？
結論から言うと、
GOBとCOBは「似ているようで設計思想がまったく違う技術」 です。
この記事ではCrystal Visionの現場知見をもとに、
- GOB・COBそれぞれの構造の違い
- 耐久性・防水性・衝撃耐性
- 画質・視認性の違い
- 屋外／屋内での適性
- メンテナンス性と修理のしやすさ
- コストと長期運用の考え方
まで、導入判断に必要なポイントを網羅的に解説します。
1. GOBとCOBの基本構造の違い
まずは、両者の根本的な違いから整理します。
GOB（Glue on Board）とは？
GOBとは、
従来のSMD LEDを実装した基板の上から、透明または半透明の樹脂（グルー）で覆う方式 です。
構造のイメージ
- LEDチップ：従来のSMD構造
- 実装方法：表面実装
- 表面処理：シリコン樹脂やエポキシで全面コーティング
GOBの特徴
- 表面が柔らかく、衝撃に強い
- 防塵・防水性能が高い
- SMDの弱点を「後処理」で補強している方式
Crystal Visionでは、
「SMDの進化版・保護強化版」 と説明することが多いです。
COB（Chip on Board）とは？
COBは、
LEDチップをパッケージ化せず、基板に直接実装し、その上から樹脂で一体成形する方式 です。
構造のイメージ
- LEDチップ：ベアチップ
- 実装方法：基板へ直接実装
- 表面：完全一体化（面発光に近い）
COBの特徴
- 発光面が非常にフラット
- ピッチを極端に小さくできる
- 視認距離が近い用途に強い
Crystal Visionでは、
「高精細・屋内特化型の最終形態に近い技術」 と位置づけています。
2. 耐久性・保護性能の違い｜屋外で強いのはどっち？
衝撃耐性
| 項目 | GOB | COB |
|---|---|---|
| 指や物が当たった場合 | 非常に強い | 強いが樹脂割れに注意 |
| 子供・人通りが多い場所 | ◎ | ○ |
GOBは表面がゴムに近い柔らかさを持つため、
外力に対して非常に強いのが特徴です。
一方COBは硬質な一体成形なので、
局所的な強い衝撃ではダメージが残るケースがあります。
防水・防塵性能
- GOB：IP65〜IP67相当が可能
- COB：基本は屋内想定（防水設計は限定的）
屋外用途では、
GOBのほうが明確に有利 です。
Crystal Visionの屋外案件でも、
雨・湿気・粉塵・結露が想定される場合はGOBが選ばれるケースが大半です。
3. 画質・視認性の違い
発光の均一性
- COB：非常に高い
- GOB：SMD由来の粒感がわずかに残る
COBは発光面が一体化しているため、
- ドット感が少ない
- 近距離でも非常に滑らか
- 黒浮きが起きにくい
といった特長があります。
超近距離（1m以下）で見る用途 では、
COBが圧倒的に有利です。
輝度性能
- GOB：高輝度に向く（屋外向き）
- COB：高輝度化には限界あり（屋内向き）
屋外LEDでは6000〜8000nits以上が求められることもありますが、
この領域では GOBのほうが実績豊富 です。
4. 屋外・屋内、それぞれに向いているのは？
屋外に向いているのは？ → GOB
理由は明確です。
- 防水・防塵性能
- 紫外線耐性
- 温度変化への耐性
- 物理的衝撃への強さ
- 高輝度対応
Crystal Visionでは、
屋外用でCOBを積極的に勧めるケースはほぼありません。
屋内に向いているのは？ → 用途次第
屋内でCOBが最適なケース
- 会議室
- スタジオ
- 放送・配信設備
- 高級商業施設
- 超近距離視聴（〜2m）
屋内でGOBが向くケース
- 商業施設の通路
- 子供が触れる可能性がある場所
- デジタルサイネージ
- 不特定多数が近づく空間
5. メンテナンス性・修理のしやすさ
これは導入後に 大きな差 が出るポイントです。
GOBの修理性
- LED単体交換が可能な場合あり
- 比較的メンテナンスしやすい
- 修理コストを抑えやすい
COBの修理性
- 基本的にモジュール交換
- 部分修理が難しい
- 修理費が高くなりがち
Crystal Visionでは、
長期運用・保守重視の企業にはGOBを勧めることが多い のが実情です。
6. コスト比較｜初期費用と長期費用は別で考える
初期導入コスト
- GOB：中〜やや高
- COB：高
長期運用コスト
- GOB：低〜中
- COB：高（修理・交換）
「画質最優先で短期利用」ならCOB、
「耐久・安定運用・保守性重視」ならGOB、
という住み分けになります。
7. Crystal Visionの結論｜GOBとCOBは“競合”ではなく“用途別”
最後に、Crystal Visionとしての結論をまとめます。
GOBが向いている
- 屋外LEDビジョン
- 人が触れる可能性がある場所
- 長期常設
- メンテナンス性重視
- 高輝度が必要
COBが向いている
- 屋内専用
- 超高精細
- 至近距離視聴
- 映像品質最優先
- 高級空間・スタジオ用途
GOBとCOBは優劣ではなく、完全に「使い分ける技術」 です。
Crystal Visionでは、設置環境・視認距離・予算・運用年数を総合的に見たうえで、最適な方式をご提案しています。
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