GOB・COB・SMDの違いを実機で検証|耐衝撃・耐水・耐候性テストの結果まとめ【完全版】

LEDディスプレイの導入を検討するとき、多くの方が最初に迷うのが 「GOB」「COB」「SMD」 の違いです。
外見こそ似ていても、構造・性能・価格・耐久性がまったく異なり、設置環境によって向き不向きが大きく変わります。

本記事では、広告用LEDビジョン・屋外ビジョン・イベントレンタルなど多くの現場で使われる3方式を、実機テストを通して徹底比較しました。

  • 耐衝撃テスト(落下物・指圧・衝撃)
  • 耐水テスト(IP規格に基づく散水)
  • 耐候性テスト(紫外線・気温変化・粉塵)
  • 視認性・コントラストの比較
  • メンテナンス性と長期コスト

専門的すぎる単語やメーカー名は控えつつ、現場目線で比較しています。


1|まず知っておきたい「GOB・COB・SMD」基本構造の違い

目次

■ SMD(Surface Mount Device)

最も普及している方式。
LEDチップを3色(RGB)まとめてパッケージ化し、基板へ半田付けした構造です。

特徴

  • 低価格で市場シェアが圧倒的
  • 修理・交換が容易
  • 1つのチップが露出しているため破損リスクあり
  • 直射・粉塵・水気に弱い

屋内の大型サイネージ・イベントレンタル・スタジオ用途に強い方式です。


■ COB(Chip On Board)

LEDチップを基板へ直接実装し、表面を樹脂で覆ったモジュール。
SMDより壊れにくく、高精細ピッチ(P0.9〜P1.2)で採用が増えています。

特徴

  • 発光面がフラットで指で触っても壊れにくい
  • コントラストが高く、黒の再現性が良い
  • 修理コストが高く、パーツ交換が難しい

スタジオ・会社受付・会議室・ハイエンド屋内ディスプレイで人気です。


■ GOB(Glue On Board)

SMD方式に透明樹脂をコーティングした耐久仕様。
COBより低価格で、SMDのメリットを保ちつつ保護力を高めた“中間的存在”。

特徴

  • 防水・防塵・耐衝撃性能が高い
  • 表面が樹脂で覆われていてLEDが取れにくい
  • 屋外・レンタル用途に向く
  • 超高精細ピッチ(P1.2以下)はまだ少なめ

屋外レンタル・スポーツ施設・テーマパーク・キッズスペースとの相性が抜群。


2|実機で行った3つの耐久テストの概要

LED専門業者の現場テストを参考に、下記3方式を同条件でチェックしました。

  • テスト対象:P2.5(GOB / SMD)、P1.5(COB)
  • テスト時間:48時間
  • テスト温度:−10〜45℃
  • テスト内容
    ① 耐衝撃(落下物・指押し・軽打)
    ② 耐水(散水・結露)
    ③ 耐候性(紫外線・温度変化・粉塵)

※実際のメーカー試験結果、社内実験、各社の検証データを組み合わせた内容を基に整理しています。


3|耐衝撃テストの結果:壊れやすさと修理性の差

■ SMDは衝撃に弱い(チップ欠け・半田外れ)

最も壊れやすかったのがSMD方式。
軽く押す程度でも、チップの欠け・半田の外れが発生しやすく、

  • 落下物
  • 設置時の当たり
  • 子どもの指圧
  • ツールの接触

こうした日常的な衝撃でドット欠けが起きやすい傾向があります。


■ COBは強いが、基板に直接実装されているため「壊れた時が高額」

指で押しても壊れず、硬いものを当てても問題無し。

しかし、破損した場合はユニットごと交換になることが多く、修理コストが高いという難点があります。


■ GOBは“防御力が最強”だった

透明樹脂コーティングにより、

  • 指で強く押す
  • ペン先を軽く当てる
  • 工具がかすめる
  • 1mから金属ボール落下(テスト条件)

これらでも故障しづらく、今回の3方式の中では 最も耐衝撃性が高い 結果に。

屋外イベントや人が触れやすい場所ならGOBが安心です。


4|耐水テストの結果:雨・湿気に強いのはGOB

■ SMD

  • LEDが露出しているため水に弱く、
  • 結露・ミストでも影響が出やすい
    (特に屋外では故障率が上がる)

■ COB

  • 樹脂で封止されており一定の防水性はある
  • ただし、完全防水構造ではないため
    直接の水濡れには注意が必要

■ GOB

  • 樹脂コーティングにより 水滴・雨・湿気にかなり強い
  • 霧・雪・軽い屋外雨ならほぼ問題無し
  • これまでのSMD弱点だった「結露」が大幅改善

屋外の長期運用はGOBが圧倒的に向いていると判断できます。


5|耐候性(紫外線・温度変化・粉塵)テスト結果

● 紫外線(直射日光)

  • SMD:黄変しやすい
  • COB:比較的強いが表面が熱を持ちやすい
  • GOB:樹脂のUV耐性が高く屋外向け

● 温度変化(−10〜45℃)

  • SMD:半田が弱点になりやすい
  • COB:熱集中による故障リスク
  • GOB:最も安定、気温変動に強い

● 粉塵・砂埃

  • SMD:チップに汚れが付きやすい
  • COB:凹凸が少なく影響は軽度
  • GOB:フラット表面で清掃が簡単、最も汚れに強い

総合すると 屋外の長期設置はGOBが圧勝です。


6|視認性の比較(コントラスト・色表現・反射)

● SMD

  • 明るさが高く屋外でも強い
  • 反射が少ない
  • 発色はメリハリがある

● COB

  • 表面がフラットでコントラストが抜群
  • 黒の再現度が最も高い
  • 近距離での高精細用途に最適

● GOB

  • 表面の樹脂により若干の反射がある
  • ただし近年は透明度の高い素材で改善
  • 屋外では十分すぎる視認性

結論:
屋内での美しさ=COB、屋外など万能性=GOB、汎用性=SMD


7|メンテナンス性と長期コスト

方式修理難易度修理費用長期運用の強さ
SMD低い(簡単に交換可能)安い衝撃に弱く故障率は高め
COB高い(基板交換が必要)高い室内用としては圧倒的
GOB中(チップは壊れにくい)最も耐久性が高く故障リスク低い

屋外・人の出入りが激しい施設はGOBが長期的に安いという結論になります。


8|用途別の最適解をまとめるとこうなる

■ 屋外サイネージ・イベント・テーマパーク

GOBがベスト

■ 室内の高精細用途(スタジオ・会社受付・会議室・放送局)

COBが最も向いている

■ 一般的な屋内サイネージ・低コスト導入

SMDが現実的

■ レンタル用途

GOB(壊れにくい) > SMD(交換しやすい)


9|結論:3方式を比較して分かった“最も壊れにくいLEDはGOB方式”

今回の実機テスト・現場経験・メーカー検証などから総合的に判断すると、


総合1位:GOB(Glue On Board)

耐衝撃・耐水・耐候性・汚れに強い万能タイプ。
屋外・人が触れる環境で最も安心。


総合2位:COB(Chip On Board)

屋内の高精細ディスプレイなら最強。
壊れにくいが、壊れた時の修理費が高い点は注意。


総合3位:SMD(Surface Mount Device)

コストに優れ、修理性は抜群。
ただし衝撃・水気に弱く、屋外は苦手。


10|LEDビジョンの選定で迷ったら「設置環境」を最優先に

  • 屋外・半屋外 → GOB一択
  • 屋内の高精細 → COB
  • 予算重視 → SMD
  • イベント・レンタル → GOB or SMD

LEDは環境によって寿命が大きく変わるため、「方式の選び方」=「長期コストを抑える最重要ポイント」です。

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