屋上サイン(屋上広告塔や看板)を設置する際、最も重要となるのが風荷重に対する構造安全性の確保です。特に高所にある屋上サインは強風を直接受けるため、構造設計・施工には法令と物理的根拠に基づいた対策が不可欠です。本記事では、屋上サインにおける風荷重計算の基本、関連法規、構造基準、実務での注意点を解説します。

目次
屋上サインとは?
屋上サインとは、建物の屋上部分に設置される広告物や看板を指します。一般的に、高さが建築物よりさらに上に突出するため、構造安全性・風圧対策・落下防止などが強く求められます。
屋上サインの風荷重によるリスク
- 倒壊・落下事故:風による圧力でサインが破損または落下するリスク
- 周辺への二次被害:車両や歩行者への重大事故につながる
- 建物構造への影響:荷重が本体に伝わり損傷の原因になることも
風荷重に耐えうる設計・施工が義務付けられているのは、こうしたリスクが非常に高いためです。
適用される法令と基準
屋上サインに関して適用される主な法令は以下の通りです:
- 建築基準法 第20条、第87条(構造安全性、工作物申請)
- 気象庁の地域風速基準 に基づいた設計風速の設定
- 日本建築学会「建築物荷重指針・同解説」
- 屋外広告物条例(各自治体)
これらに基づいて、設計荷重や構造耐力を算出し、行政への構造計算書や工作物確認申請の提出が必要です。
風荷重計算の基本的な考え方
風荷重は以下の式で計算されます:
風荷重(N/m²) = 0.6 × 風速² × 荷重係数 × 形状係数
各要素について:
- 風速: 地域・設置高さにより異なる(例:東京=34m/s)
- 荷重係数: 用途・重要度により1.0〜1.6程度
- 形状係数: 平板・箱型・円柱などで異なる
例:高さ50mの建物屋上に2m×5mの平面看板を設置する場合、約1000〜1500N/m²の風圧力がかかるケースもあります。
構造設計でのチェックポイント
- 看板の設置角度:垂直or傾斜で風荷重が変化
- 支持柱の断面サイズと材質:鋼材・亜鉛メッキなど
- 基礎部のアンカー設計:コンクリート強度との整合
- 振動対策:共振による金属疲労を防ぐダンパーや形状工夫
設計・施工の実務上の注意点
- 風荷重計算は構造設計一級建築士の監修が必要
- 既存ビルに後付けする場合、構造計算書の再検討が必要
- 台風や強風警報時の対策計画(照明の消灯、脱落防止)も準備
- 定期点検・締結部の緩みや腐食確認を怠らない
まとめ
屋上サインの設置において、風荷重計算と構造安全の確保は絶対に無視できません。見た目や広告効果ばかりに目が向きがちですが、法令順守・安全設計・正確な構造計算こそが、サインの長期運用・安全確保につながります。
設計・施工を行う際は、建築士や構造設計者と連携し、工作物申請・風荷重検討・構造図面の整備をしっかり行いましょう。
なお、実際の計算には、地域ごとの風速や看板構造に応じた専門的な知識が必要です。専門設計事務所や看板メーカーの技術者にご相談いただくのがおすすめです。
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