LEDビジョンは世界中で普及が進み、公共施設や商業空間、イベント演出などに欠かせない存在となっています。しかし、製品の安全性や性能を評価するうえで見逃せないのが、国際的な規格・認証制度の違いです。
この記事では、IECやCEをはじめとした主要な国際基準と日本国内基準との違いを解説し、LEDビジョンをグローバルに導入・運用する際の注意点をまとめます。

1. なぜ国際基準が重要なのか?
LEDビジョンの製造や輸入、輸出において、対象国の安全・品質基準を満たしているかどうかは非常に重要です。基準を満たしていないと販売不可となるだけでなく、事故や火災などのリスクにもつながります。
また、商用施設や公共空間での導入では、国や地域が指定する安全認証の取得が義務となることもあります。そのため、国際基準を理解しておくことは、設計・導入・販売のすべてのフェーズで必要です。
2. IECとは?
IEC(International Electrotechnical Commission)は、電気・電子機器の国際標準を策定する機関で、1906年に設立されました。
LEDビジョン関連では以下のような規格がよく参照されます:
- IEC 60598:照明器具の安全性
- IEC 61000シリーズ:EMC(電磁両立性)に関する基準
- IEC 62368:AV・ICT機器の安全基準(旧60950、60065を統合)
特徴
- 技術的に厳密であり、製品の信頼性・安全性を保証する根拠となる
- 欧州・アジア・アフリカなど多くの国の認証制度と連動
3. CEマークとは?
CE(Conformité Européenne)マークは、EU(欧州連合)域内で製品を販売する際に必要な適合マークです。電気製品・機械製品など、特定カテゴリの商品に適用されます。
LEDビジョンに関係するCE指令例
- EMC指令(2014/30/EU):電磁両立性
- LVD指令(2014/35/EU):低電圧指令
- RoHS指令(2011/65/EU):有害物質の制限
CEマークは、製造者自身が「基準に適合している」と自己宣言するマークであり、第三者機関の検査が必須な場合とそうでない場合があります。
メリットと注意点
- EU諸国への輸出が可能になる
- CEだけでは安全性の担保にならない場合もある(証明書の確認が必要)
4. 日本のPSEとの違い
日本では、電気用品安全法(PSE)が製品の安全性を担保する法律です。
観点 | CEマーク | PSEマーク |
---|---|---|
法的根拠 | EU指令に基づく | 日本の電気用品安全法に基づく |
検査義務 | 製造者の自己評価 | 指定品目は第三者機関の検査必須 |
適用範囲 | EU全域 | 日本国内 |
表示内容 | CEマークと製造者情報 | PSEマーク(菱形・丸形) |
このように、PSEの方が明確に第三者評価が求められる場合が多いという違いがあります。
5. その他の代表的な国際認証
LEDビジョンが多国籍展開される場合、以下のような認証が求められることがあります:
- UL(アメリカ):火災防止や電気安全性に関する認証
- FCC(アメリカ):電波干渉防止
- CCC(中国):中国国内販売用の国家認証
- KC(韓国):韓国の電気用品安全認証
- BIS(インド):電気・IT製品の品質安全規制
6. 海外認証の取得における注意点
国際基準を満たすには、製品設計段階から下記のような準備が必要です:
- 材料・電源・ノイズ対策部品の選定
- 試験用サンプルの製作
- 英文マニュアルの準備
- 技術文書(テクニカルファイル)の保管
また、ロットごとに認証が必要なケースや、出荷国ごとに再認証が必要な場合もあります。販売先の国ごとの基準をよく確認して対応することが重要です。
まとめ:グローバル展開には基準理解が鍵
LEDビジョンをグローバルに活用するには、IECやCEをはじめとする国際規格の理解と対応が不可欠です。単なる輸出入の問題ではなく、設計・安全性・品質管理のすべてに関わる要素となるため、早期の認証対応が競争力にも直結します。
国内外での導入を見据えて、正しい知識と体制整備を行いましょう。
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